2008年11月20日

「生と死」 考えることの多い本だった

99954dd7.jpg尊厳死にスポットを当てたこの小説
衝撃的なことばが帯に書かれている。
「なぜ、この人たちは
    死ねないのだろう」
実は、読む前にネットで検索してみると
賛否両論の振れ方が、尋常ではないのだ。
そういう観点で読むと、双方の
意見が分かれる原因が読み取れて
興味深かったのである。

現在の医療制度が欠陥だらけである事は
概ね、皆が思っているし、不可解な事柄は
山ほどあるのだが、まずは、作者が
小説というスタンスをチョイスしたことが
間違いなのではないかという気がする。

主人公の女医の視点は、患者と上司のはざまでの
不平、不満、愚痴にしか感じられないし
患者の死やその家族に対する言いわけ、であり謝罪。
それらが、つらつらと書かれているだけで、制度や上司に
NO と言えない煮えきらない態度からは
本当に改善したいと思っているのか、という気持ちにもなるし
主人公である、たぶん作者であろう人を美化し過ぎのきらいもある。

斜に構えて見るのなら、女医であり小説家という地位が
欲しいが為に書いたのか、という気分にもなる。
つまり、問題に対して、中途半端な小説っぽい装飾で
心情を伝えようとするところに、どこか不真面目さを
感じてしまうきらいが、無いとは言い切れない。
それが反対派の意見なのではないのか。

翻って、こと、自分に関して言うのなら
いたずらに延命治療など、して欲しくはないと思っているし
あわよくば、コロっと逝きたいものだと考える。
自分の生活で精一杯なのに、自分の家族がそうなった時
看病に時間をどれだけ費やせられるのか、そして
1%の望みに、すがるのか、あきらめるのか。
問題は山積みであり、問題提起としては、この小説は
充分な役割を果たしているとも言えるのである。

自分の将来を見つめるという意味でも
もっと勉強が必要だという事を、気付かせてくれる。
作者は、もっと装飾控えめに、ドキュメンタリー的に書いたり
告発、問題提起として、より深く掘り下げ書いた方が
誤解を招かないのでは、と言いたい。
いのちの大切さに関してなら、宗教家や哲学者の方が
上手に伝えることができるし、現場の医師という立場を
とことん極めたら、もっといい作品がかけそうである。

医療制度の欠陥の是正、医者の人格向上は
国民全員の望みだと思うのだが、どうして政治は
変えられないのか、変われないのであろうか。

死ぬ日を選べるということは、ひょっとしたら
豊かな国の象徴なのか。
しかし、それは、まやかしである。
医療制度というのは、いったいぜんたい、誰のためにあるのか。

本をプレゼントしてくれた、Akko たん、ありがとう!
私的には、ビザよりもピッツァ好きであり、10回クイズではひじ、だ。

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コメント一覧

1. Posted by waka   2008年11月20日 01:34
いやぁ〜
父の尊厳死の決断を
私に託された時の苦難な時を思い出します。

一言では
片付けられない問題。

どんな状態でも良いから
生きていて欲しいと思う願い。

YESと言えば、ずっと背負い続けるような
重さ。

離婚して、仕事も辞めて
生命維持装置で生きているに
ずっとより添っていた人。

残される立場
残す立場
決断する立場

立場で、そりゃぁ〜変わるよね。

でも、こういった体験から
死生観について考え始めたりするからね。
繊細だわなぁ〜。
2. Posted by ワインセラピスト   2008年11月20日 16:52
■そっか、waka ちゃんも決断をせまられた経験があるんだよね。
 本を読んでる時、評論家だった自分を
 このコメント読んで、少し反省したよ。
 ナイーブかつデリケートな問題なんだよね。
 ありがとう。

3. Posted by ひみつのAkko♪   2008年11月20日 22:00
率直な感想をありがとうございました
きっと感想文を!と私がプレッシャーをかけてしまったのだと思います
父の延命処置の決断を高校3年生の頃に悩んでいた私
その後は予期せぬ進路(現在の資格を取るべく)へ進み,父は私がその道を希望したと思って逝きました
その当時私は娘としての思いを殺して
医療従事者としての意見を家族や親戚一同から求められて急激に大人に成らされたと思います
成らずにはいられなかったというのが正直なところ
だからこういった類の著書を読んでも実体験には及ばざるという感じのところがあるのが実際の感想です
でもワインセラピストさんが書いている通り
尊厳死についての問題提起はしていると思います
また,私たち医療従事者は守秘義務があるため
こういう内容になってしまうのかな・・・とも思います
こんなにしっかりと感想文を書いてくださってありがとうございます〜〜♪
4. Posted by ワインセラピスト   2008年11月20日 22:55
■Akko たん、ありがとう!
 この本の感想文は、今までで、いちばん気を使いました (笑)
 でも、ウソは書けないので、おもいのまま。
 よって、本文中に作者の名前も作品名も
 入れていません、検索で引っ掛かってしまうと
 めんどうだから。

 医療従事者も、みんなAkko たんのような
 天使のような人ばかりではないしね。
 私に何かあった時には、そちらを指定しますので
 よろしくお願いします。
 

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