2010年02月02日

ずるい、君は本当にずるい。ずるいよ、ずるすぎる。

4b9a0570.jpg映画『サヨナライツカ』を観てきた。
正直に感想を述べよう。
沓子と豊と光子。
原作から、みんながそれぞれに
キャラクターを設定して、場面ごとに
その表情を想像しながら読み進めた事だろう。
その場面場面で、その三人三様の個性に
感情移入していたからこそ涙なくしては
読めない小説だったはずである。
好きだった漫画がアニメになった瞬間に
声のイメージに戸惑ってしまうような
そんな違和感を覚えた私だ。

たとえば、小説において沓子と豊の関係は
フィフティフィフティから始まってはいないから
「ずるい、君は本当にずるい。ずるいよ、ずるすぎる」
この言葉を発した時の沓子と豊に大粒の涙を流してしまうのだが
映画の中の「ずるい」では、沓子のこころの変遷を
捉え切れていないのであるし、いろんな場面での
表情に「あ、その時そんな表情はしない筈だ」と
おおいに突っ込みを入れながら観ていた。

原作に忠実な部分と、そうでない部分が妙にここち悪かったぞ。
どうせなら思い切り脚本に手を入れてしまったほうが
こちらもあきらめがつくというものである。

私が思うこの小説の醍醐味は「手紙」なのだ。

ひとは手紙を書く時、相手の事だけを想って
ただひたすらペンを走らせる。
その文字の中に表情があり、感情があり
さらに文字になっていない部分、つまり
行間にも想いが詰まっている。
だからこそこころが動くのだ。
韓国の監督らしいがどうしてこの物語にとって
必要のない事としたのか、そこらへんは
是非ともインタビューしてみたいところだ。

タイランド贔屓の私から、訂正させていただけるのなら
まずもってオリエンタルホテルのレストラン「ノルマンディ」は
まったく違うレストランだ、あんなチープなレストランではない。
本来あの格式高さが、あのシーンをスリリングにしている筈なのに
撮影許可がおりなかったのだとしても、あのレストランはひどい。
まるで伝わらない。

そしてホテルのシーンでは状況説明のためだとは思うが
あんな接客は決してしない。微笑みの国と言われるタイの中でも
最も素晴らしい接客をしてくれるのであって、あんな無愛想ではない。
バンコクの名誉のために言っておきたい私なのである。

いやぁ、辛口過ぎただろうか。しかしながら実は
原作への思い入れがそうとうに深いのであり
映画が始まり「真中沓子」という名前を耳にした瞬間に
もうウルウルしてしまった私である。
映画が終わる頃には、ほぼ1kgのダイエットに成功していた。
泣いてる観客も多かったぞ。
ま、途中で帰っちゃう人もちらほら居たのも事実だが。

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コメント一覧

1. Posted by yumi   2010年02月01日 22:11
観てきましたか。
映画では沓子と豊と光子、
それぞれ少し違う人格になってましたね。

韓国映画っぽかったですよね。
人物のまわりをカメラがぐるぐる回ったり
中山美穂の一部衣装とメイクが、日本だったらそうはしないなって
思ったものもありましたし(私が女性なので気になるだけですが)
豊の25年後の特殊メイクが日本ならもっと自然にできたと思いますし。

あと、豊は私としては西島秀俊さんは違うんですよね・・・。

そんな細かいことを除いても、全体的に日本人の感性とは少し違う
作品になっている感じでしたね。
それぞれの人物の中心部分が違うと言うか。

そうそう、手紙が全く出てきませんでしたね。
私が小説を読んだ時は手紙で大泣きしてました。
できれば日本人の監督で観てみたかったです。

オリエンタルホテルはもっと素晴らしい接客で
レストランも全然違うということで、私の中では
大きくイメージが違った事の一つだったので、それは安心しました(笑)

そうは言っても大好きな小説で思い入れもありますし、かなり入り込みました。
終った後はしばらく立てませんでした。
映画としては楽しみましたよ。
2. Posted by ...takes a lifetime to forget someone.   2010年02月01日 22:29
誰が書いてくれるかな〜って楽しみにしてました。Thanx!

DVDになるまで観れそうにありませんが、予告編のミポリンからは妖艶だけどフラジャイルで透き通った役柄の印象を受けました。彼女好きなんです。

The heart wants what it wants...
There's no logic to those things.

1kgダイエットも魅力です。 Ako
3. Posted by ワインセラピスト   2010年02月02日 02:44
■yumi ちゃん、過日あなたが
 「観てきましたよ、まだ観てないのならノーコメントで」と言った
 そのわけが、よくわかりました。

 特殊メイクって表現には笑いました。
 ま、ある意味特殊です。(笑)

 キャラクターでいえば、特に光子のイメージは絶対違う。
 あんなふうに強さを敵にあらわにするタイプじゃない。
 なんとなく勘付いてもおおきな愛で包み込む慈愛のイメージです。
 映画の光子は我が強過ぎ、沓子のほうがより
 慈愛のイメージで描かれててちょっと違和感がありました。
 さらに沓子は弱さを晩年まで出しちゃダメなんですよね。

 愛してると言いたくても言えない豊の残り少ない
 独身時代も、表現し切れてないから、ラストシーンの
 「愛してる」も、どこか空々しいのです。

 滝沢ナエさんからの手紙、これもストーリーの中では
 欠かせない場面展開なんですよね。

 もうひとつ毒吐かせてもらうと、あのエンディングの曲は
 正直苦痛でした通路側なら即退場してました。
 あと、楽しいシーンのエルヴィス、あれは興醒め。
 なのに1リットルも涙が出るんだよね。(笑)
 原作読んでない人の評価はどうなんだろうね。
4. Posted by ワインセラピスト   2010年02月02日 02:54
■AKOちゃん、原作は読んだんだっけ。
 この小説は「忘れられない恋」を持つものは
 とことん泣かすよ。
 中山美穂、私の採点は・・・・ 祭典。(笑)
 監督と脚本の、この物語に対しての捉え方が
 浅漬けの「小夜子」です。
5. Posted by Ako   2010年02月02日 03:42
No, 読んでおりませぬ。
I'd love to read it.

It takes a minute to have a crush on
someone, an hour to like to someone, and
a day to love someone..., but it takes
a lifetime to forget someone.




6. Posted by ワインセラピスト   2010年02月02日 03:51
■うむ、詩人だね。
7. Posted by Ako   2010年02月02日 04:03
Actually, it's not mine...
昔誰かから聞いたことがあって、覚えてたのです。

そんな感じなのかな〜って。
8. Posted by yumi   2010年02月02日 16:40
そうそう、そうなんですよ。
慈愛の人 光子なのに!
映画ではちょっとこわかったです(笑)
あまり幸せそうじゃなかったし・・・。
沓子もかわいそうな人になってましたよね。

わかりやすくて劇的にしたかったのかな・・・。

使われてた曲については私も同感です!
これもイメージとズレがありました。

それなのにやっぱり私もハンカチ握りしめて観てましたよ(笑)
席を立った時、後ろの列の白髪のおじさまが
ハンカチを丁寧にたたんでバックにしまってて
それが印象的でした。
9. Posted by ワインセラピスト   2010年02月02日 18:19
■ああ、そうだ。
 ナイス指摘。
 20年後だったっけ、誰もしあわせそうじゃないんだよね。
 あれは大いなる違和感。
 小説でいえば、全員がほのぼのと
 平均以上に幸せなのに。

 豊も地位も名誉も富も手に入れながら
 なぜポッカリと穴があいているのだろう、と
 それがバンコクに行くことで堰を切る。
 沓子だって、自分の人生と向き合って
 バンコクに暮らすことを選択したわけで
 豊と再び出会うためだけにあそこにいたわけじゃない。
 そこらへんの解釈が違うんだよね。
 だから小説どおりのセリフにも違和感が起こるんだろうな。
 

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