2011年10月07日

おまえにはお前にしかできない事がある

23a90ce8.jpgDVD「白洲次郎」を観た。
結構な力作だった。
奥田瑛二,原田美枝子,岸部一徳,原田芳雄
印象に残ったのは彼らの演技だ。
すばらしい。
もちろん主人公のふたりもすばらしい。
それぞれの役者には演技する時に
ちゃんと「降りて」くるんだろうな、と
まじめに思ってしまうほどの演技だ。
白洲次郎に関しては、結局
3冊目を読んでいるのだが
このドラマを見ただけじゃ、やはり
彼のキャラクターは片手落ちなので
ぜひぜひ本を読んで欲しい。

さて、彼の持つ「こだわり」「職人気質」「プリンシプル」
そこからうまれる「煩悩」や「苦しみ」をとおして
人間臭い「白洲次郎」を満喫しつつ、自分に置き換えて
彼を観ていると、ほんと
伊勢谷友介君のように背筋が伸びるのである。

制作スタッフのインタビューを見ていても
彼らがいかに白洲次郎の生き方に対峙したのかが
ビンビン伝わってきた。

繰り返し回想で出てくる戦死した農家の先輩。
「彼は優秀な百姓だ。百姓をしてこそお国に貢献できるのに
なぜ彼が南の国で戦死しなければいけないのか!」
白洲の怒りはまっとうなのである。
こういう「反戦」に対するメッセージも
製作者の意図にはきっと、ある。

青山二郎にコテンパンにされ、しょげた正子に
「おまえにはお前にしかできない事がある」と諭す。
それは百姓の先輩の彼にも通ずるのだが
次郎や正子が超ウルトラ裕福な家庭に育ったからではなく
だれもが人生の中で幾度か思う「なんのために生れてきて
自分にはなにができるんだろう」という素朴な疑問を
彼自身も持ち続けていて、つねに悩んでいた事の証明だ。
『プリンシプルのある自分』を目標に掲げていたのであり
原理原則を持っているつもりでもどうしようもない
そんな時があってこそ人間だから、ゆるぎない
存在に憧れていたのだと思う。それは
その戦死した百姓であり、父のおかかえの大工のように、だ。

彼をひとことで称するたくさんのインパクトあることばも
「マッカーサーを叱った男」「ジーンズを初めて穿いた日本人」
「GHQに従順ならざる唯一の日本人」
「日本国憲法を翻訳した男」などなどすべてキャッチーだが
羅列してみると「で、なにしたひとなの?」となるのだ。
結局「風のような男」なのだが、その時代に
必要な人間だった事は明らかであり
「おまえにはお前にしかできない事がある」ってのは
きっと、あなたにも私にも白洲は語りかけると思うな。
天上天下唯我独尊なのである。

吉田茂の「誇り高い日本の再生」ということばも
今だからこそ骨身にしみる思いだ。良いドラマだった。

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