2011年10月10日

服部直樹



この男は1981年から「歌う事」をなりわいとしてきたが
49歳の今では住む家もなく車の中に衣装も詰め込んでいる。

オーディション番組に応募してみた。
ジェームス・ブラウンの曲で登場し客席からはウケるが
審査員からはたったの30秒余りで
無情にもストップをかけられてしまった。
「カヴァーなんて見たくない。単なるコピーだろ」
「・・・・・・」
「15秒やるからアカペラでおまえを表現してみろ」
「・・・・・・」
審査員からは単なるお調子者としか見られなかったのだ。

数秒後、落胆や怒りや悲しみ絶望を抑え30年間の彼の人生が
その呼吸とともに詩とメロディを奏で絞りだされる。
彼の魂は波動となりひとびとの細胞を刺激する。

オーディエンスは総立ちだ。

彼の歌声には彼の人生が深く刻み込まれていた。
もちろん天性の声を持っていたからこそ30年間も
歌い続けることができたのだが、こういう
純粋な音楽バカにはおおいに共感するし
そういう輩にチャンスを与えるこういう番組は
日本にもあっていいと思う。

最初に登場した時、指輪を落としてしまうのだが
そのコロコロと転がる借り物のリングを追いかけるユーモラスな彼と
4人の辛口審査員を含めすべてのオーディエンスに認められ
とめどなく涙があふれる彼を見ていて、なぜか彼に
日本名として「服部直樹」と命名した。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by はま   2011年10月10日 15:19
深い15秒ですね。
2. Posted by ホヌ・マハ郎   2011年10月10日 17:23
■うん。テレビ見てて鳥肌が立った。
 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Profile

大島”ビッグアイラ...

コメントありがとう!
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
新着!ViVa なBlog
Archives
Moon Phases
livedoor プロフィール

大島”ビッグアイラ...

  • ライブドアブログ