2013年02月12日

『頬よせてホノルル』

d8c6cc14.jpg『頬よせてホノルル』片岡義男だ。
Hilo Kumeさんと彼の話題になった時
この本だけは絶対に読むべきだと
薦められたなかの一冊。
彼が推する意味がよくわかる。
ハワイの風景やにおいがそのまんま
伝わってくるのであり、それは
片岡義男の独特な文体にとても
フィットしていてわくわくしてしまう。
そう、たとえば日本で云うところの
ビリヤードなどは彼の小説では
ちゃんとビリアードと書かれてたりして
クスッとしてしまう。たしかに
Billiardなので「ヤ」はおかしい。

この本は短編集なのであるが彼の
私小説的な部分がそうとうにあるから
ハワイで育った彼の知るオールドハワイがそこにある。

「冬の貿易風」がいちばんのお気に入りだ。
片岡義男らしいストーリー展開。
しかしながらお薦めしたいのは
「アロハ・シャツは嘆いた」だ。
この本の表紙がアロハシャツなのも
きっとこの短編小説を意識しての事だと思う。

およそ知り得るすべての知識や歴史的事実をもとに
色付けしていくその作業は、読んでいて
よくぞ書いてくれましたであり
まるでアロハシャツができあがったその時代
その瞬間に立ち会ったような興奮に包まれるのだ。
アロハシャツをあえてアロハ・シャツと書くあたりも
片岡義男らしさがあって好感が持てる。

アロハシャツはアメリカ人が創ったものじゃなくって
日系人がルーツなんだぞ、でもって今売られてるような
安ものの「アロハシャツ」なんて「アロハ・シャツ」ではないのだぞ
と声高に言いたい自分のルーツを日系人に持つ片岡義男の
自尊心に深く触れた気がして嬉しい。

とことん探したが、もはや新品では買えないので
Amazonで中古を買い求めた。
そこまでしてもなんら抵抗がないくらい
ハワイ好きにはお薦めしたい本なのだ。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by AKI33   2013年02月12日 22:08
青空文庫でハワイ三部作あったので読みました。時間の流れ方が素敵です。
2. Posted by ホヌ・マハ郎   2013年02月12日 22:19
■ひょへっ!!
 今やWebで読めちゃうんだ。
 なんてこったい。
 知らなんだがね。
 それはそれとして、お誕生日おめでとう!
3. Posted by ホヌ・マハ郎   2013年02月12日 22:34
■「ラハイナまで来た理由」を読み始めたが
 キツいわ。
 ギブアップ。
 横書きは読み難い。
 よく読んだな。
 さすが。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Profile

大島”ビッグアイラ...

コメントありがとう!
新着!ViVa なBlog
Archives
Moon Phases
livedoor プロフィール

大島”ビッグアイラ...

  • ライブドアブログ