2013年09月01日

Island Story Vol.1

83c916a8.jpgハワイに来て三日目である。
仕事はおおむね順調だ。
夜のミーティング、と言っても
半分は遊びのようなものなのだが
相手の都合でキャンセルになった。
そのおかげで今回は来られないと
あきらめていたこの店に来られたのは幸運だ。
ワイキキからは程好く離れた
ヨットハーバーに臨するこの店。
傾きかけた太陽が心地良く
楽園の一日の終わりを彩る。
メニューを見ると"Gaitai"とある。
何かと思ったらガイさんの発明した
レシピのマイタイなのだそうで
なにかしらの大会で優勝した事が
誇らしげに書いてあった。
何度も来たこの店でドリンクメニューを
はじめてしげしげと見た事に気付いて
ひとりほくそ笑んでしまう。
そうだ、独りで来る事なんて、じつは
今日がはじめてだ。
マイタイにくちを付けると、なるほど
たしかにこのロケーションにピッタリの
味わい。そして過度ではないデコレーションに
とても好感が持てる。ポキのひとつも
オーダーしてみよう。ウェイターが言うには
この時間はハッピーアワーですべて半額だそうだ。
こんな贅沢な時間を半額だなんて信じられない。すると
「良いシャツ着てるね」
完璧なアロハスマイルで声をかけられた。
80代と思しき老人にである。
英語に堪能でない僕は「ありがとう」
そう言うのが精いっぱいだったのだがうれしかった。
刻々と陽が沈むのを愉しんでいたらいつの間にか
BGMに替わってウクレレと歌声になっていた。
ハワイのカウボーイソングだ。
ボーカリストと目が合うとウインクをよこした。
その意味を汲み取るのに多くの時間は必要なかった。
彼と僕は、おなじチェックのしかもおなじ赤のシャツを着ていたのだ。
「PALAKA」と呼ばれるハワイアンチェックだ。
先ほど声をかけられた老人だと云う事も
瞬時に分かったのだが、彼があのエディ・カマエだとは
帰国するまで気付かなかった。

今、彼のCDを聴きながら本来ならサイン入りになっているであろう
赤いパラカシャツを風に膨らませベランダでマイタイを飲んでいる。

*新しいシリーズです。完全に妄想。

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