2017年02月03日
こころの平安はたいせつである

閉店後、おなかがすいていた。
しかも猛烈にラーメンモードだ。
よしっ!
一直線に向かったお店は年中無休で深夜二時まで
やっているはずなのに電気が消えていた。
なんてこったい!
頑張った自分にご褒美ラーメンのはずが
コンビニの弁当などで空腹を満たすなんて絶対に嫌だ。
お!
閃いた!
しばらく行っていないがあの店に行ってみよう!
ガラガラガラと扉を開ける。すると
店主が違う人である。
しかも客はひとり。
これは失敗したのでは、との思いがよぎるが
「ラーメンと麻婆飯ください」
待っているあいだに先客が帰って行く。
「ごちそうさま!」ガラガラ。
扉は半開きである。
おいおい、扉はちゃんと閉めてくれよ只今の気温は
0℃を下まわっているのだから。
正直、外気は冷蔵庫よりも冷えているのだ。
店員はふたりもいるのに扉を閉めてくれない。
しかたないので閉めに行った。
「お待たせしました」と麻婆飯が登場した。
豆板醤ではなく、細切りの赤唐辛子が万遍無く混入されている。
おいおい、である。
こんなの丸っと食べたら明日の朝がたいへんである。
「すみません、なにか小皿ください!」
ひとつひとつ箸で丁寧に場外に除外していたら、来客である。
「おーーーー寒いねぇ!」と入ってきたのにもかかわらず
扉が全開である。おいおい、だ。
ただでさえ困難な唐辛子除去作業で、食べる前に
冷めてしまうのではないかと懸念していた作業の真っ最中だったのに、だ。
二度目なので、さすがの私も大声が出てしまった。
「おぇ!さっみーーーーんだよ!」
言ってから相手の顔を見たらあきらかにきわどいお方だった。
「悪いね、今すぐツレが来るもんで」
え?このひとのツレ?
どう考えても類は朋なのであり囲まれたらどうしようもない。
最悪の事態を考え、どうやって逃げるかを考えながら
1秒でも早く食べきろうと赤唐辛子除去作業は中止して
食べ始めた。
連中は4人のグループだった。
ラッキーなことにふたりは飲み屋の女の子だ。
どうやら今までの飲み屋でのノリをだいじにしたい雰囲気だ。
でも、安心はできない。
赤唐まみれの麻婆飯は飲み物のごとく私の胃の中に消えた。
「ごちそうさま!」
会計を済ますと誰とも目をあわさず扉を開けた。
全開のまま帰ろうかとも思ったが、いやいや
ガラガラガラとちゃんと閉めてその場を立ち去った。
なにごとも起こらず幸いである。
いやはや怖かった。
相手も見ずに凄んではいけない。
あとの心配は赤唐辛子が引き起こす胃腸の変化だけである。
しかし、そんなものは数日続く肉体的な苦痛とは比較にならないので
ほぼ安心である。
教訓!
何時でも何処でも誰とでも、無理なく無駄なく油断なく!なのである。