2020年03月07日

感想文。観てない人は読んじゃダメ!

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『Fukushima50』を観てきた。
冒頭から涙が滲んでしまう。
2011年3.11の、あの頃のメンタリティに
瞬間でさかのぼってしまうのだ。

印象的なシーンを門田隆将さんのインタビューを
事前に見ていたので、あやうく嗚咽をもらしそうになった。
原子炉建屋に突入する直前、作業員が結婚指輪を一度外した後
再び指に通す場面。(実は原作に書かれていない)
つまり、彼は帰って来られないかも知れない。
そうしたら、自分の遺体が発掘されるのは
何十年後になるかも知れない。でも
指輪があったら自分の骨だと特定できるんじゃないか、と
ふたたび指輪をするんだよ。
そのギリギリの葛藤が見事に描かれていた。

とにかくハラハラドキドキさせ、泣かされる。

しかし、終わりの三分の一。
途端にテンションが落ちてしまう。

横田基地を撮影に使った事は初めてなのだそうだが
米兵には、原発のスタッフのような緊張感がない。
ファミリードラマチックな回想シーンや再会シーン。
渡辺謙と佐藤浩市がタバコを吸うシーンでは
ふたりとも煙草を吸わない人なのだとひとめでわかってしまう。
それまでのギリギリの心理状態を最高の演技で盛り上げてきたのに
一瞬で映画の場面からこころが離れてしまった。
あのシーンは必要だったのだろうか。
そして数年後の桜。
ハッピーエンドにするにはまだ早い。
原発事故は、まだ収拾できていない。

もっともっと深い描写や説明や解説が必要だったのではないのか。
映画館の上映時間にしばられて、120分で完結するのは
無理があるテーマなのではないのかな。
「風と共に去りぬ」のように120分前後編で中休みがあっても良い。
DVD化するのなら、ぜひぜひ長編映画にリメイクして
もっともっと感動させて欲しい。
どこからどう見ても滅茶苦茶な予算を使っていることがわかるだけに
73ヵ国の上映が決まっているだけに残念。

2011年3.11後の日本を体験していない人には
彼らFukushima50の功績がどれだけ伝わるのかな。
彼らが日本を救ったのだから。
彼らが命懸けで立ち向かわず東電本社の言いなりに成っていたら
現在、東京をはじめ東日本は誰も住めない街になっていたのだから。

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